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頭と心の夏休み





年始に続き、お盆休みも大きな地震が発生。

記録的な大雨をもたらした大型台風が夏休み最後の週の列島をゆっくりと進行。

本当に何かと「ままならない」2024年の日本です。


なんな中ですが、話は思い切り個人的な事に変わります。


8月1日〜18日まで、カミさんが娘を連れて中国に帰郷していました。

(本当は16日に戻る筈が台風の影響で18日に。)

お陰で、結構長めの一人生活を味わいました。


これだけの期間、一人を満喫するのは数10年ぶり。

滅多にないチャンスなので、お盆休みに友人との気ままな男旅の計画を立てていたのですが、友人の都合が悪くなり、土壇場でキャンセル。


それならそれで折角の貴重な時間、一人旅でもしようかな〜なんて考えながら、お盆休みが来るのを楽しみに、8月前半の「一人生活」を過ごしていました。


しかし、いざ、お盆休みに突入すると「行きたいトコ」が見つから無い。。

西の方は「南海トラフ地震」への注意警報が出てたので行くのは避けたいし、東は天気予報がよろしくない。一人で楽しめそうな場所を近場で探すも・・観光スポットの混雑は御免こうむりたい。「当て所なく・・ぶら〜っと」と、考えはしたものの、どうも気乗りがしない。。では、他にやりたい事は・・と、考えても「コレ!」というのが思い浮かばない。。

「心」と「身体」が昔の様に、動こうとしない。


結局、どこに行くでもなく、外に出歩くのは買い物くらい。

自分で料理を気ままに作って、映画や動画を観ながら昼間から酒を飲んで。。

夕方、本を読みながらぬる〜い湯に浸かって汗かいて・・・、また夜に酒飲んで・・・という不健康な日々。夜寝る前の娘とのビデオ通話以外は、殆ど誰とも会話をしない・・・という1週間。


しかし、これがとても良かった。


この期間、「一人だけ」の状態の自分と「家族」といる自分、「社会」での自分・・の違いに改めて気付かされました。


お客さんも夏休みなんで。メールチェックもしなければ、パソコンも開かない。

休みに入って2日目位になると仕事の事は頭の隅っこに行き、「今」目の前にある事や、「今」の気持ちだけが心を充満させる様になりました。


すると、掃除を積極的にやるし、料理も楽しくなりました。

普段は興味がない様な映画や、見る気もしなかった動画に興味を持ってハマったり、

娘が学校から持ってきた朝顔や、カミさんが育ててる野菜の世話を欠かさずしてる自分が居ました。今まで嫌々やっていた事が楽しかったり、関心ないものに興味がいったり。


普段は、家事の主導権をカミさんが握ってます。

全てに於いて、私より遥かに秀でてるので当然です。なので、カミさんの指示に従い、動きます。主体性のないお手伝いです。ゴミ出し、洗濯物干し、力仕事等々。。

料理も注意されたり、駄目出しされるのが嫌なので、手を出しません。


それが、一人生活で何でも自分の思う様にやれるとなると・・とっても楽しい。

誰も見てないのに、自分がこんなに家事とかちゃんとやる人間だったとは。。

誰かを待たせてる訳でもないし、どこかに出掛けないと行けない訳でもない。

だから、時間も手順も自由気まま。

洗濯なら洗濯、掃除なら掃除、料理なら料理以外に、何も考えるべき事がない。


映画や動画にしても、日常のストレスから解放された心理状態で選ぶものは、普段の選択と違い、受け入れられる幅が広い。毛嫌いして観なかった韓国映画や最近の邦画の良さに気付かされたり、余り好きでなかったお笑い芸人の動画を見て、その芸人の魅力に気付かされたり。。普段見ているキャンプ動画や都市伝説系動画を見ようという気も起こらない。

読書も、自己啓発系やビジネス系は、触れる気もせず。

昔買った、南米やアフリカの作家の本をダラダラと読んだり。

買い物もそうで、エコバック持っていくのが面倒で、ビニール袋をいつも買っていたのに、エコバックを持参したり。。野菜の値段に驚愕して枝豆選ぶのにも時間かけたり。。


社会生活における最小組織ともいえる「家族と居る自分」と「一人だけの自分」でもこんなに自分の中に違いが生じるもんなんだと、改めて気付かされました。

そして「素の自分」というのは、普段中々、表に出てきてない事も実感させられました。



 そんな気ままな一人生活期間もアッという間に過ぎ、カミさんと娘が帰ってくると、また普段の生活が始まりました。


家族との生活が再開してから数日、娘が中国滞在中にハマった・・という映画を毎日観る事になりました。ピクサーの「マイ・エレメント」というCGアニメです。

今まで集中力が持たずに30分のアニメも観てられなかった5歳の娘が、1時間半以上ある映画を何度も飽きずに、夢中になって観ていました。


そして、娘に付き合って観ていた私が、この作品にとても感銘を受ける事になりました。

色彩が鮮やかで、細部まで拘っている映像、飽きさせないストーリ展開とテンポ。

魅力的な登場人物達のキャラクターは、「流石ピクサー」の一言で、幼い娘がハマるのもわかります。


ネタバレしてしまいますが、「アメリカ移民の歴史と、そこにある差別」というものが根底にある映画です。監督が韓国系アメリカ人の方で、ご自身の実体験が色濃く反映された内容となっています。


「風・土・水」が共存する華やかなエレメントシティ(白人社会)と、迫害を受ける「火」が生活するファイアーシティ(アジア系移民街)。他の元素(エレメント)にとって危険な「火」は妨げられてます。そんな世界で、「水」と「火」という最悪の相性である元素(エレメント)の若い男女が、幾多の問題にぶつかりながら愛を育んでいく物語です。


「火」である女の子はアグレッシブで直情的。「水」の男の子は優しくて泣き虫。

男の子は、素直に自分の気持ちを伝える事を恐れません。女の子は、家族への思いや責任感から素直になれないし、自分等を疎外する他の元素(エレメント)への怒りや劣等感も持っています。

ぶつかり合いながらも、次第に二人は惹かれ合っていき、互いが必要不可欠な存在である事を認め合っていきます。

そして、それが奇跡を生みます。その奇跡は「触れ合う」事。火は消えず、水は蒸発しません。そして、二人は苦難を超え、家族からも認められ、めでたく結婚します。

エンディングでは、全てのエレメント同士が仲良く平等に暮らす、その後のエレメントの世界の様子が描かれます。


一人の気ままな時間を通し、自分の中の「意外な部分」に気づいた後に、家族と共に「異なるものとの融合」をテーマとしたアニメで感銘を受け、家庭におけるカミさんや娘との付き合い方にも多少の変化が生じました。

家事を手伝うのではなく、自分の考えでやったり、家事用品を新たに買い替えたり。カミさんと部屋の模様替えするならあーしたい、こーしたいと話したり。

娘との遊び方や過ごし方も、娘の気持ちや考えを聞いて尊重する事を増やしてみたり。


結果として現在、カミさんの家事に対する私への期待とニーズが増え、娘が仕事を邪魔する時間も増えたので、良かったのかどうかは微妙な所ですが、ま、楽しい事は楽しい。


社会活動においてもそうでありたいと思います。

「等身大の今の自分」で、損得勘定や見栄等から来る、立ち居振る舞いは無しにしたい。

喜びや楽しさとは無縁・・と割り切って経済活動に専念するのは所詮無理な性分。

自分や関わる人にとって本当の意味で価値あるものとは?

・・・そんな事を念頭に社会生活を営めれば。。


世間とは、自分をとりまく世界とは、自分を映し出す鏡・・と、人は言います。


より良い世界の為に自分の変化に期待したくなる・・・そんな時間を味わった心と頭の夏休みでした。






 
 
 

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