出版物流の世界と私 7
- zassoukh04
- 2月26日
- 読了時間: 4分

さて、
そうして私は、6で綴った様に「封入発送」や「セット組み」と言った作業案件を主体とした営業にシフトする事にしました。
協力会社に委託する形の「作業案件」を営業するという事は、在庫管理の営業に比べると、ハードルが低い仕事になります。欲しい仕事の水準も低いので、相手の敷居も低くなり、お会いできる人が増えます。
当時、まだまだPR誌を刊行してる出版社さんが多く存在しており、私はそこに目をつけました。出版社さんは横の繋がりが強かったので、紹介を頂いたりする事も多々あり、顔と名前を覚えて頂くのに有意義な活動となりました。
また、以前からお付き合いが続いていた版元ドットコムさんのお誘いで、東京国際ブックフェア(今なくなってしまいましたが)に狭いブースを曲がりしてPR活動をするなんて事も実現しました。そこでの出会いから在庫管理案件を受託出来たり・・という事もあり、次第に私のモチベーションも回復していきました。
当時、私がターゲットとしていたのは、人文・学術系の出版社さんです。
会社としては、既に医書や理工書には既にしっかりとした営業ルートを開発し、一定の知名度があったので、私はその分野以外を広げようとしていました。
医学書や専門書分野は出版流通の主流とはかけ離れた世界で商売をしています。
学校が大きな市場であり、書店においても店舗販売より外商という形になります。
トーハンや日販といった大手のみならず、鍬谷書店や西村書店といった専門取次との商いも重要で、実際に流通量も可成りのものがあります。店舗販売向けの業会インフラである出版VANに関しても、大きな関心は持っておらず、どちらでも良い・・というスタンスの出版社さんが多かったです。(採用品は出版VANの対象外)。
一方、人文・学術書は店舗での販売に注力する必要があります。
いわゆる生粋の「読書人」がターゲットとなる刊行物で商売しているので、出版VANの様な動きには影響されます。しかしながらそれを重くは捉えておらず、昔ならのやり方で自社で在庫管理をしてる会社さんが圧倒的多数でした。
自分の手で自社の本を扱い、自分の目で短冊注文の内容を見て、どんな書店でどんな本が売れるのかを身体で覚える・・・多数の出版社さんの社長や営業トップの皆さんが口裏を揃えたかの様に、それを語っていました。
そんな風土が蔓延する人文学術書の世界で、ある関西の老舗学術書版元さんの東京支社長さんから相談を受ける事になりました。「京都に在庫拠点があっては拉致があかないし、出版VANも出来ない。どうにかしたいと思っている」と。
元々書店出身の支社長さんは、商品供給における差が販売に影響する事を実体験で知っています。私はその方と共に、京都の社長さんが在庫管理のアウトソーシング化に首を縦に振る作戦を練りました。
紆余曲折ありましたが、一年以上の時を経て、在庫管理の受託に至りました。
京都から数10万冊の在庫を移動する大きなプロジェクトです。自社で管理されていたので、出版社さんとしても非常に大きな決断となったと思います。
多品種小ロットの極みの様な在庫管理と、採用品もあれば常備セットもある。刷り数管理が必要だし、絵本まで出しているので、巡回見本等の作業もある。非常に高度な管理を要する仕事ですが、この仕事は会社の能力を上げるキッカケにもなったと思ってますし、立上げは大変でしたが、仕事や会社へのモチベーションを回復させて頂くキッカケにもなりました。
今でも付合いのあるシステム畑の友人との「あ〜でもない、こ〜でもない」というやり取り。毎日の様に会社の近隣の居酒屋で永遠と延長線を繰り広げた日々は懐かしく、思い出深いものとなってます。
・・・と、中途半端ではありますが、出版物流の世界と共に過去を振り返る私の旅はココで終わりにします。読んでくれた希少な方には感謝申し上げます。



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