原点は減点
- zassoukh04
- 8月27日
- 読了時間: 5分

猛烈な暑さが続きます。
カレンダー的には残暑という事なりますが、まだまだ真夏と考えて良さそうです。。
夏のボーナスとお盆休みが過ぎ、テンションも上がらない‥と言う方も多いのではないでしょうか。そして、年間でも転職を考える時期の一つでもあります。
この夏は私の周りで、勤めている会社を辞めるとか、辞めたい‥と言う方が続出しました。
若い人ばかりでなく、それなりの年齢で、社歴を積んだ方々も目立ちます。
日本は、良い所を伸ばす・・というより、悪い所を正す‥に重きが置かれ、マイナス面が強調される事が当たり前になってる社会であると感じます。
子育て・学校・会社・・において、其れは当たり前に蔓延してる様に思います。
「あなたは、こういう所は素晴らしいものの、こういう所が問題だ。」と、
「あなたは、こういう所に問題はあるものの、こういう所が素晴らしい」
とでは、評価が違うと思います。
前者はネガティブな評価で、後者はポジティブな評価に感じないでしょうか。
人は皆、大なり小なり承認されたいという欲求を持っています。
自分が必要である存在であり、自分が認めらているという実感が欲しいのです。
自分が属する組織における存在価値です。
それが感じられない環境では良いパフォーマンスが出来ません。
自信が持てず、臆病になり、本来の力を発揮できなくなります。
当然そういう環境では、人同士の信頼関係も希薄で表面的なものとなっています。
圧倒的多数の人が職場の人間関係を理由に会社を’辞める日本において、組織の中での信頼関係というのがどれだけ軽視されてるのか・・。
そういう環境を自らの手で作ってしまってる会社…というのが、少なくないと思います。
社員の減点箇所を探してその人の評価を下げていく減点方式による人の評価・・とでも言うのか。結果として「正当に評価されない」「会社で認められない」という思いが積算し、「このまま会社にいても」・・・となり、去っていく人が絶えない組織となる。。
減点方式で人を評価していればモチベーションの高い社員の割合は少なくなるし、人の入れ替えも頻繁に起こるので、組織全体が本来発揮できる力を出せてないという事になります。企業としての成長や、業績という面で大きなマイナス要因となっているのです。
減点評価が、会社の評価を減点させてるという図式です。
この減点方式を評価する立場で考えると「期待してるから」となるかと思います。
例えば優秀なメーカーの営業マンがいたとします。
彼は一つの得意先から多くの注文を取る事に長けています。
しかし、訪問件数が少ないので、然程飛びぬけた成績となりません。
すると、上司は「注文は良く取れるが、訪問件数が少ないのが問題」という評価をしがちだと思います。
しかし、実は営業マンの彼が一件当たりで飛びぬけた注文を取って来れるのは、徹底的に得意先の事や担当者さんの事を調査して、その担当者さんとの関係づくりに力を注ぎ、その得意先に合った提案が出来てるからであり、その為の調査や提案資料作りに時間をかけてるから訪問件数が少ないとしたらどうでしょうか。
訪問件数を増やせと言わずとも、特性を熟知し、信頼関係を築けている得意先が時間の問題で増えるので、事前準備の時間も減り、自然と訪問件数は伸びます。
結果としてこの営業マンの成績はコンスタントに伸び続ける事になるでしょう。
評価する側は、その努力を評価し、寧ろ他の営業マンにも見習ってもらった方が会社の業績は向上しないでしょうか。
私も含め、日本人は自然と減点箇所を見つける事に長けてしまってる様に思います。
しかもその風潮はますます強まってる気がするのです。
芸能人やTVメディアなんかが、コンプライアンスに神経をとがらせざる得ないのも、この減点気質と無関係ではない気がします。ちょっとした発言が切り取られ、ネットで一斉に非難され、誹謗中傷をうける。不特定多数で匿名の誰かに徹底的に攻められる。
これは、一般社会において「自分のマイナス面」を批判される環境に身を置いてるが故のストレスや不満をぶつけてるとも捉えられないでしょうか。
成功者とみられる人々がボロを出したら一斉にそこを集中攻撃し、貶めてやろうとする。
それに成功すれば、ちょっとしたストレス解消。
それが最早エンターテイメントの一つになってる様な状況に思えます。
減点が原点となり、自らを生きづらくしてる・・そんな日本の社会になってる様な気がするのです。人の良いところを伸ばしたり、評価したり・・という世の中にしていきたいものです。先ずは自分が人を減点評価をしてないか・・・に注意が必要ですが。。
「置かれた場所で咲きなさい」なんて言葉もありますが、私は賛成できません。
それが出来る人ばかりではないですし、生い立ちや環境が自分にとって劣悪なら場所を変えるべきと考えてます。人間はそういう類の草花とは違いますから根を張り花を咲かす場所を変えれるのです。交通量の激しい道路のアスファルトの上に落ちたタンポポの種が成長し、花を咲かす確率は、野原に落ちた種より圧倒的に低いでしょう。
護送船団の年功序列で高度成長期だった日本なら良かったかもしれません。遅かれ早かれ、耐えればいつしか、自分なりの花を咲かせる順番が来る可能性があったからです。
現状の歪に実力主義と年功序列が混在し、護送船団が崩壊した日本においては其れは期待しない方がいい。自ら咲ける場所かどうかを見定めていないと、自分なりの花が咲く前に枯れてしまう可能性の方が高い。
個人的に会社を辞める辞めないで相談を受けた人が幾人かいます。
それぞれが自分なりの花を咲かせるであろう場所を見つけられる様願っています。






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