出版物流の世界と私 5
- zassoukh04
- 2024年11月7日
- 読了時間: 3分

出版社を辞めた私は、直ぐに転職せず、アルバイトをしながらじっくり考える事にしました。年齢的にも39歳でしたし、「勤め上げる」という事を念頭にしっかり考えないとと思ってました。
その間、退職した出版社から編集・営業合わせて3名が続けて去って行った事を知りました。20代後半〜30代半ばの人達です。私が影響を及ぼしてしまったのかも知れないとも思いましたが、「4」で言及した編集者さん2名で立上げた出版社さんの本が目の前で飛ぶ様に出荷されてく姿を目の当たりにすれば、自身がこのままでいいのかと考えるだろうとも思います。
私のアルバイト先は、自宅から車で20分程の倉庫会社でした。
フォークリフト運転を含める構内作業全般の仕事です。
この会社も強烈でした。倉庫賃料の安さを武器に、破格で仕事をとってきて、荷物をギュウギュウに詰め、荷主さんんからの注文ファックスのコピーを見ながら、構内で荷物を掘り出してピックアップ・・・という毎日。
玩具・製菓・工業材料・ファンシーグッズ等々、多様な商材をゴッタゴタに管理。
システムなぞなく、エクセルでの在庫管理。
不思議な事ですが、前職の出版社が展開しようとしてた倉庫事業を、そのままやっていたらこんな風になってしまってたのでは・・と思う様な倉庫だったので、「これが嫌だから辞めたのに・・・」と思ったのを覚えてます。
その会社は元々運送会社でしたが、倉庫業出身者でない方を外部から倉庫部門の責任者として雇って事業展開しており、収支計算も何もかもが滅茶苦茶な状態でした。
アルバイトの私を含め、重労働だし理不尽な仕事内容。
当然、どんどん人が辞めて行きます。
そして、アルバイトである私に「所長やってくれ」という話が来ました。
「これは・・不味い。」
そのまま、ここで社員になれ・・という話でしたし、全く望んでない展開。
取り敢えず、社員は嫌だとはいえ、誰かがリーダーシップ取らないと現場が動かない。
仕方なく、所長代行的な業務を受ける事にしましたが、転職も待ったなしで考えざる得なくなりました。
私が出版社に転職する前に、私に「ウチで一緒に仕事してくれ」と言ってくれていた物流会社での先輩が居ました。
その方は「出版倉庫に力をいれる」という倉庫会社にスカウトされ、そこで働いていたのですが、「人材不足だから助けてくれ」と私に声をかけてくれてました。
当時の私は「出版社」しか転職のターゲットになかったので、お断りしていました。
それから2年弱の時を経てましたが、私はその先輩に電話をしました。
「何でもやるんで、会社に入れて貰えないでしょうか」と。
2年近く経てば当然、事情は変わってるので駄目モトではありましたが、その先輩は会社に掛け合ってくれました。
そして、一回の役員面談のみでその会社が雇ってくれる事になりました。
「救われた・・。」
心からそう思いました。
後で面談した役員に聞いたのですが、その先輩は、社長や役員に私を猛プッシュしてくれたそうで、その先輩の熱意が決め手だったとの事でした。
その先輩は私の生涯の恩人の一人です。
私はその会社で私のサラリーマン人生最長である13年間を過ごさせて頂く事になりました。
6に続く
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